色とりどりの棒

いろいろな棒と思考の記録帳

渋滞と妄想の親和性について

落ち着きを失っているので、またもや気晴らし。

以前浅草に車で行く用事ができたとき、用賀ランプから首都高3号線に乗ったのだけど、ゲートを通過した途端に「池尻で事故 渋谷まで60分」とかなんとか書いてある。

絶望した。

僕は渋滞が大大大嫌いで、環境にも財布にも精神にもとんでもない悪影響だと思っている。ましてわざわざ高速料金を払ってこのありさま、やるせなさしかない。本も読めないし酒も呑めない、それどころかトイレが近くなるのでコーヒーも迂闊に飲めない。話し相手もいない。クソかよ。

半ベソで三軒茶屋をやっと通過したとき、村上春樹の『1Q84』を思い出した。そういえばあの小説の冒頭で主人公のひとりが「Q」の世界に迷い込んでいくきっかけは、3号線三軒茶屋での絶望的な大渋滞の中で、ヤナーチェックの「シンフォニエッタ」を聴いていたということにあるんだった。今ここで運転しながら「シンフォニエッタ」を聴いたら、Qの世界に行けるかなとか妄想して(絶対に行きたくないけど)、でもそのCDは持っていないので適当になんか置いてあったやつを流してみた。エモい。

結局まあブラームスのピアノトリオではQの世界には行けなくて、こうして呑気にブログとか書いているわけだけど、この時ばかりは自分が準ハルキスト※でよかったなと思った。普通に考えたらストレスでしかない3号線の渋滞なんかで、けっこうわくわくできたりする。(※あくまでも「準」であって、生粋のハルキストと話したら銃殺されそうになったこともある。奴らは思いの外凶暴だった。)

またある時は高校時代の友達と紅葉の箱根に遊びに行ったのだけど、その時は行きも帰りも最悪で、たった2時間温泉に入っただけなのに実に往復7時間運転するということになってしまった。通常なら往復2時間なのに。しかもみんな後部座席で麻雀してばっかりで誰も構ってくれないし、ちょっと酷いよなぁ。

隣を悠々と走る箱根登山鉄道が恨めしい。

帰りは夜も更けてきた頃に西湘バイパスの大磯付近でこの世の終わりみたいな渋滞に捕まったのだけど、その時は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破』を思い出した。ティンパニが鳴って真っ赤な相模湾に巨大な使徒が出現し、西湘バイパスを逃げまどう車は大渋滞、みたいなカットがあった気がする。運が悪いと容赦なく使徒だかヱヴァだか公権力だかにぶっ潰されてそこに十字架が立っちゃったりする。僕は力なき被害者のひとり。エモい。

結局まあ使徒は現れなくて、こうして呑気にブログとか書いているわけだけど、この時ばかりはちゃんとヱヴァ観ておいてよかったなと思った。正直ちょっと楽しくなってしまった。いや別に楽しくなってはいないか。

やっぱり楽しいわけではなかったです。

ひとりで運転していて渋滞の時に求められるのは、妄想をするスキルだ。というか何もソースがない状態で想像力を膨らませるのって真面目に重要なことだと思うのだけど、スマホを持っているとなかなかそういう機会はないんだよな。渋滞の時間はスマホに逃げることさえも許されない珍しい時間だ。僕は子どもの時から半分(最近は1/3くらい)想像の世界の中にいて激しく独り言が多いような性格なので、案外渋滞のような究極の暇は上手にこなせるのか……。はあ、だからなんだ。

渋滞名所の「東名綾瀬バス停付近」にも「中央道小仏トンネル付近」にも、それぞれなんか物語を作って暇つぶしにしよう。いつか役にたつかもしれない。とはいえやっぱり渋滞は最悪だけど。

というかこの文章、全体的にきもいな。

あと卒論をやれ。