色とりどりの棒

わかりたい

インド日記

入国、デリー、アーグラー

トランジットで少し観光した北京を離れて、深夜2時頃にデリー空港へと到着した。手続きを終わらせて空港の外に出た時は土砂降り。あたりは雷とクラクションの喧騒で溢れかえっていて、怖い。

送迎車を頼んでいたので、それに乗ってニューデリー駅へ向かう。とはいえどこに連れていかれるかわからないので警戒していると、途中で何度もいきなり停まっては、その度にここで降りろという。でも肝心の用事はというと、ガス欠だのチャイで一服だのといった具合で、特に騙すつもりも悪気もないらしい。時間があったので、運転手と一緒にチャイで一服してみた。はやくインドのペースを掴みたい。

 

特急列車でアーグラーへ。この街も道端は通行人と三輪リクシャーと牛と牛糞とありとあらゆる塵で溢れかえっている。乗ったリクシャーは運転が荒すぎて牛と激突する。インド人がいきなり片言の日本語で近づいてきて、地球の歩き方に書いてある通りの悪徳商売をふっかけられる。道はアスファルト舗装が未完成で、常に激しい土埃が立ち牛糞の臭いが立ちこめ、警戒していた消化器より先に呼吸器がやられそうだ。身構えていたけれどもやはり度肝を抜かれた。いつも度肝を抜かれると力なく笑ってしまう。あはははは………

そんな街中で、タージマハルの敷地内だけは非常に美化されている。どこから観ても左右対称に設計されている巨大な墓は、とても美しいけれども、かなり不気味でもあった。それが墓だから不気味だと思うのか、その石の無機質さからなのか、それとも牛糞や塵のない世界が突然現れたからなのか、よくわからない。ミナレットのひとつは工事中の櫓がかかっていて、少し景観を損なっていた。しかしそれでタージの魅力が半減したかというとそうではなくて、本来は完璧に左右対称であるという事実自体が、その建築の魅力なのではないだろうか。

 

インドの国民服でもあるクルターとパージャーマーを入手して、それで街を歩いている。しかしインド人が皆それを着ているわけではないし、自分の顔立ちがあまりに日本人なので不自然だ。これでは忍者なりきりセットで京都を歩く外国人みたいなものなのか。いやそれは言い過ぎ、下駄くらいか。剃刀を使わず口髭をはやそうとしているが、全然だめだ。

次は、夜行列車でバラナシに向かう。